暑い夏は、愛犬の熱中症を防ぐために、お散歩の時間を短くしたり、外出を控えたりする日が増えます。
しかし、活動量が減った状態が続くと、体力や筋力が落ちるだけでなく、退屈やストレスから、吠える、いたずらをする、落ち着かないといった行動につながることもあります。
夏は無理に外を歩かせるのではなく、室内で「鼻と頭」「身体」をバランスよく使い、愛犬の心と身体を満たしてあげましょう。
室内遊びだけで、散歩のすべてを補えるわけではありません。
散歩には、身体を動かすだけでなく、外の匂いや音、景色に触れ、社会を知るという大切な役割があります。
一方で、気温や湿度が高い日に無理をして散歩へ行く必要はありません。比較的涼しい時間に短い散歩を行い、不足する活動を室内で補うとよいでしょう。
大切なのは、ただ疲れさせることではありません。
愛犬が「鼻と頭を使った」「身体を丁寧に動かした」と感じられる時間をつくることです。
犬は鼻を使って匂いを探すことで、身体を激しく動かさなくても頭を使い、満足感を得られます。
最も簡単なのは、フードやトリーツを室内に隠して探してもらう「トリーツサーチ」です。
最初は愛犬から見える場所に置き、慣れてきたら家具のそばやタオルの下など、少しずつ探す場所を変えてみましょう。

タオルを使う場合は、最初から完全に隠さず、端からトリーツが少し見える程度にします。慣れてきたら、タオルを軽く折るなどして少しずつ難易度を上げましょう。
難しくしすぎると、見つけられずにストレスになることがあります。「少し探せば見つかる」程度から始め、成功体験を積み重ねることが大切です。
犬のフィットネスとは、激しく走ったり、ジャンプを繰り返したりする運動ではありません。
正しい姿勢で立つ、低い障害物をゆっくりまたぐなど、身体を丁寧に使い、筋力やバランスを保つための運動です。
特別な器具がなくても、ヨガマットやバスタオルなど、家にあるものを使って取り組めます。
ヨガマットや滑り止めマットの上で、愛犬に四本の足をついて立ってもらいます。
トリーツを鼻の高さで見せ、前後左右に身体が傾かない姿勢を3〜5秒ほど保ちましょう。

首が上を向かないように、トリーツを高く持ち上げすぎないことがポイントです。
まずは短い時間から始め、安定した姿勢で立てたら褒めてあげましょう。
畳んだバスタオルに前足だけを乗せ、後ろ足はマットの上についた状態で立ってもらいます。

前足を少し高くした姿勢を保つことで、四肢や体幹を使う運動になります。
まずは数秒から始め、前足がずれたり、身体が傾いたりする場合は、タオルの高さを低くしましょう。
丸めたバスタオルを床に2〜3本並べ、愛犬に一歩ずつゆっくりまたいでもらいます。

トリーツを鼻の高さから少し前に見せ、走ったり飛び越えたりしない速さで誘導しましょう。
足元を確認しながら歩くことで、四肢を丁寧に動かす練習になります。
タオル同士の間隔は、愛犬が一歩ずつ自然に足をつける広さに調整してください。
遊びや運動を増やすだけではなく、活動した後に休むことも犬育ての大切な一部です。
遊びが終わったら、マットやクレートなど、愛犬が安心できる場所でゆっくり休ませましょう。
「活動する時間」と「落ち着く時間」の両方をつくることで、興奮したまま過ごすのではなく、気持ちを切り替える練習にもなります。
室内で運動するときは、次の点に注意してください。
子犬、シニア犬、関節や脊椎などに疾患のある犬では、できる運動が異なります。持病や痛みがある場合は、事前に獣医師へ運動の可否を確認してください。
暑い日は、散歩へ行けないことを必要以上に心配する必要はありません。
鼻と頭を使うノーズワークと、無理のないフィットネスを組み合わせることで、室内でも充実した時間をつくれます。
大切なのは、たくさん疲れさせることではなく、愛犬の年齢や体調に合わせて、楽しみながら心と身体を使ってもらうことです。
暑さを避けながら、愛犬に合った夏の過ごし方を見つけていきましょう。
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