「爪切りをしようとすると、足を引っ込める」
「爪切りを見ただけで逃げてしまう」
「抱えて切ろうとすると暴れてしまう」
犬の爪切りで困っているご家庭は、少なくありません。
でも、少し考えてみてください。
愛犬は、いつから「足先を触られること」を練習してきたでしょうか。
爪切りをするときだけ、突然足を持たれる。
指を開かれる。
爪切りが近づいてくる。
パチンと音がする。
これでは、犬にとって爪切りが苦手になっても不思議ではありません。
DogRelaxingでは、爪を切る技術より前に、
「足先を触られても大丈夫」
という経験を育てることを大切にしています。
今回は、子犬だけでなく成犬にも取り入れてほしい、足先のケアトレーニングについてお話しします。

犬が爪切りを嫌がると、
「爪切りが怖いんだ」
と思いがちです。
でも実際には、
足を触られる。
足を持ち上げられる。
指を開かれる。
体を固定される。
爪切りの音がする。
爪に道具が当たる。
こうした複数の刺激が重なっています。
だからこそ、
「爪切り」というひとつの出来事を、もっと小さく分けて考える
ことが大切です。

子犬の時期は、さまざまな経験を通して、
「これは大丈夫」
「これはちょっと怖い」
ということを学んでいきます。
だからこそ、爪を切る必要が出てから初めて足を触るのではなく、
何もする必要がないときから、足先を触られる経験を作っておく
ことが大切です。
ここでの目的は、
「我慢できる犬にすること」
ではありません。
目指したいのは、
「足を触られても、特に嫌なことは起きない」
という経験を少しずつ増やしていくことです。

成犬になってから、
足を触ると引っ込める。
爪切りを見ると逃げる。
抱えようとすると体を固くする。
そんな様子があっても、練習を始めるのに遅すぎることはありません。
ただし成犬では、すでに
「足を触られるのは嫌」
「爪切りは怖い」
という経験を重ねていることがあります。
その場合は、いきなり爪切りまで進めるのではなく、
犬が安心していられるところまで戻ってやり直します。
例えば、
肩に触れる。
前脚に触れる。
すぐに手を離す。
トリーツを食べる。
そこからでも十分です。
爪切りを見るだけで逃げてしまう犬なら、
「爪切りが部屋にあっても平気」
という段階から始めても構いません。
成犬だからこそ、
「どこまで我慢できるか」ではなく、「どこなら安心していられるか」
を探してあげることが大切です。

いきなり足先を握る必要はありません。
例えば、
肩を触る。
↓
前脚を触る。
↓
手首のあたりを触る。
↓
足先に少し触れる。
↓
指を一本だけ触る。
というように、少しずつ進めます。
最初は、
ほんの1秒触って終わり
でも十分です。
触る。
トリーツ。
終わり。
また少し触る。
トリーツ。
こうして、
「足を触られる=嫌な時間」ではなく、「足を触られても大丈夫」
という経験を作っていきます。

足先に触れられるようになったら、少しずつ次へ進みます。
軽く触れる。
↓
ほんの少し足を持つ。
↓
すぐに離す。
↓
指を軽く触る。
↓
肉球を触る。
↓
指を少し開く。
大切なのは、
一度に全部やらないこと。
「今日はここまでできたから、もう少し」
と進めすぎるより、
愛犬に余裕があるところで終える
方が、次の練習につながります。
犬が動かなかった。
だから、
「できた!」
と思うかもしれません。
でも、
体が固くなっていないでしょうか。
顔を背けていないでしょうか。
足を引こうとしていないでしょうか。
耳が後ろへ下がっていないでしょうか。
動かない=安心している
とは限りません。
犬が我慢して止まっている場合もあります。
だから、
「できたかどうか」だけではなく、「どんな状態でできたか」
まで見てあげたいと思います。
足を触ったら、
スッと引っ込めた。
そんなとき、押さえ直す必要はありません。
「少し嫌だったかな」
という情報として受け取ります。
そして次は、
足先ではなく脚を触る。
触る時間を短くする。
力を弱くする。
と、少し簡単にします。
犬が嫌がったことは失敗ではありません。
むしろ、
「今の難易度は少し高かった」
と教えてくれているのです。
足を触りながらトリーツを使うと、
「おやつでごまかしているだけでは?」
と思う方もいるかもしれません。
でも、
足を触られる。
↓
おいしいものが出てくる。
という経験を繰り返すことで、
足を触られることへの印象そのものを変えていく
ことができます。
嫌なことを無理やり我慢させて、最後にトリーツを渡すのとは違います。
大切なのは、
犬がまだ安心していられる段階で良い経験と結びつけること。

足を触れるようになったからといって、すぐに爪を切る必要はありません。
次は、
爪切りそのものに慣れる練習
です。
爪切りを見せる。
↓
トリーツ。
↓
少し近づける。
↓
トリーツ。
↓
足の近くへ持っていく。
↓
トリーツ。
まだ切りません。
さらに、離れた場所で爪切りを開閉して音を出します。
犬が気にしなければ、少しずつ近づけます。
ここでも、
「できるから次へ」ではなく、「安心しているから次へ」
を意識します。

いよいよ爪を切る段階になっても、全部切る必要はありません。
1本切る。
トリーツ。
今日は終了。
それでも十分です。
「今日は全部切らないと」
という人側の目標が強くなると、犬の余裕を見落としやすくなります。
今日は1本。
次は2本。
そんな進め方でも構いません。
大切なのは、
爪を短くすることと、爪切りを嫌いにさせないことの両方を考えること。
ケアトレーニングというと、
しっかり時間を作らなければと思うかもしれません。
でも最初は、
数秒でも十分です。
ソファで一緒にくつろいでいるとき。
前脚へ少し触れる。
トリーツ。
終わり。
翌日は、
足先を一瞬持つ。
トリーツ。
終わり。
長くやるより、嫌になる前に終える。
その積み重ねが、将来のケアを楽にしてくれます。
子犬は体が小さく、人が押さえれば簡単に爪を切れてしまうことがあります。
そのため、
「今のうちに慣れさせよう」
と強く足を持ったり、押さえ込んだりしてしまうことがあります。
でも、
小さいから抵抗てきないことと、安心して受けられていることは別です。
子犬のうちこそ、
「できるからやる」ではなく、「安心してできるところまで」
を大切にしましょう。
足先を触られる練習は、爪切りだけのためではありません。
散歩後の足拭き。
肉球の確認。
ケガのチェック。
足裏の毛を整える。
動物病院で診察してもらう。
そしてシニア期のケア。
犬は一生の中で、何度も足を触られることになります。
だから、
「爪切りトレーニング」ではなく、ケアを安心して受けるための基礎練習
と考えてみてください。
爪切りを見ると逃げる。
足を触ると唸る。
暴れてしまう。
そんな犬でも、
「もう無理」
と決める必要はありません。
ただし、すでに強い恐怖がある場合には、
爪切りを使わないところまで戻る。
足に触らないところまで戻る。
必要に応じて、トレーナーや動物病院へ相談する。
という選択も必要です。
一度で全部終わらせるより、
これから何年も続くケアを、どう楽にしていくか。
長い目で考えていきたいですね。
爪切り、足拭き、ブラッシング、歯みがき。
犬と暮らしていれば、ケアはこれから何度も必要になります。
だからこそDogRelaxingでは、
「嫌がっても我慢してもらう」ではなく、少しずつ安心して受けられるように育てること
を大切にしています。
子犬のうちから始めたい方も、すでに爪切りが苦手になっている成犬も、その子に合ったところから始められます。
DogRelaxingでは、足先を触る練習や爪切り、ブラッシングなどの
グルーミングトレーニング(グルトレ)
にも取り組んでいます。
「できた」だけではなく、「安心してできた」へ。
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